宮地社長:
「割賦販売法ってご存知ですか?
平たく言っちゃえば、分割払いですね。
今は、クレジットカードでも分割払いが当たり前の
時代になりましたが、昔は分割払いはあまり一般的では
なかったようです。」
私:
「分割払い方式で会社規模を大きくしたのが、
丸井ですよね。たしか。
今でこそ若者のファッションデパート的なイメージですけど、
昔の人に言わせると「月賦屋」ですよね。」
宮地社長:
「その割賦販売法に定められた、前払い式特定取引業の
葬儀社が、互助会です。
法に定められた、ということは、互助会は経済産業大臣の
認可業なんですね。」
私:
「葬儀屋は認可いらないんですよね?」
宮地社長:
「ええ。「葬儀サービス」をするのに認可はいらないですよ。
でも互助会は、「分割前払いでお客様からお金をもらう」のに
許可を得ているのです。
たまに互助会システムを取る葬儀社で、この
許認可を得ていることを、「経済産業大臣の認可を得た葬儀社です」として、
あたかもそうでない葬儀社と比べて信頼性に優れるような
宣伝をしている会社がありますが、これはお客様が知識がないの悪用した
れっきとした「騙し」です。
あくまで互助会が得ている認可は、分割払いの許可であって、
葬儀社としての認可ではありませんので。」
私:
「なるほど。でも、「経済産業大臣認可」なんてのがあると、
ただでさえ不安がられるこの葬儀サービス業界では良い宣伝に
なるでしょうからね。
それでわざわざ、互助会という経営形態を取るわけですね。」
宮地社長:
「いえいえ。それはあくまで互助会形式経営の副産物でしか
ありません。
互助会さんがわざわざこの経営形態をとるのは、非常に簡単です。
「前払い」してもらえるからですよ。
サービス提供をまだしていないのに、お金だけは先にもらえるんです。
susukodamaさんも経営者でらっしゃるので、この意味の大きさは、
よく分かるでしょう?」
私:
「そうかあ。確かにそうですね。
今時、前入金でお金が入ってくるのは確かにデカイですね。
しかも、お金をあらかじめ預託させておくことで、確実に
他に逃がさずに顧客にできますからね。」
宮地社長:
「ええ。そうなんです。
葬儀を行うと、お客様からその代金もいただきますが、
当然出るお金も相当あります。
互助会方式であれば、葬儀をまだしていない、つまり1銭も出ていないのに、
お客様からは毎月お金が入ってくるのです。
だからキャッシュフロー的には、貯まる一方です。
その貯まったお金で、葬儀会館などの大掛かりな設備投資を
バンバンして、また他の地域に進出して自分の会社の互助会員を増やし、
またそこで余ったお金を次の地の開拓に回す、というのが、互助会方式
経営のひとつの成功パターンですね。」
私:
「なるほど~。それはいいですね。互助会形式の
ビジネス、私もやりたいですよ(笑)。
お客様の側には、どういったメリットがあるんですか?」
宮地社長:
「大きな点としては、安心感でしょうね。
いざという時に慌てないように、事前に準備金を積み立てておく。
保険金と似たような感覚ではないでしょうか?
ただ、保険の場合には多少なりとも金利がつきますが、
葬儀の互助会に預託したお金には金利はつきません。
しかも、いざという時慌てないとか、大きなお金を必要としないための
互助会費積立なんですが、実際には、葬儀の際に足りない分を
一括でお支払いになってるケースが圧倒的に多いです。」
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