私:
「実技まであるんですか。じゃあただ勉強して知識だけ習得すればいい
資格試験と違って、本質的な資格なんですね。」
宮地社長:
「ええ。
葬祭ディレクターには1級と2級があって、
1級は5年以上、または2級合格後、2年以上の実務経験、
2級は実務経験2年以上
がないと受験できないんです。」
私:
「資格コレクターじゃ取れないんですね(笑)
1級と2級って、何が違うんですか?」
宮地社長:
「簡単に言っちゃうと、
「1級」は社葬まで行える能力を証明するもの。
「2級」は個人葬を行える能力を証明するものです。
当然ですが、1級のほうがより高度な知識や
深い経験値が求められますので、それだけ
資格取得者は少なくなります。」
私:
「なるほど。
でも、2級を受験するのに2年以上の実務経験が
必要ってことは、業界の新人さんは、2年間は
何をするんですか?」
宮地社長:
「まあ実は、葬祭業をするのに、この資格取得の義務はないんです。
だから、葬祭ディレクターの資格がないからといって、
葬儀を担当できないということもありません。
普通に担当者として葬儀のお手伝いを経験し、
2年経過したら葬祭ディレクターの試験を受けるんです。」
私:
「なんだそうなんですか。
じゃあ、別に以前のような、「葬祭業は誰でもできる」っていう
状態に変化はないわけですね。」
宮地社長:
「ええ、まあ。
実際、ここ数年、色んな他業種の方が
葬儀業界に参入されてますよ。
ウエディング業界の会社や、ホテルマンの方、
ホームページ制作会社の方まで、本当に
まったく関係のない様々な他業界からの参入組が
沢山いらっしゃいます。
日本は人口減少社会で、ほぼ全ての産業で
市場規模が縮小する中、死亡者は増えるので、
葬儀関連市場の成長を見込んで
他業種がなだれ込んできているという現象です。」
私:
「なるほどね~。
確かに、葬儀単価は下がっていくでしょうが、
亡くなる方はしばらくは増える一方でしょうからね。」
宮地社長:
「他業種からの参入組は、旧態依然とした
古くからの葬儀業界に、本当にお客様の立場を考えた
改革的サービスをもたらすという面がありまして、
そういう点ではすごく良いことなんですよ。
古くからの葬儀業界の人間が「当たり前」と思っていた
業界慣習を、あっさり変えてお客様にご支持いただけたり
しますからね。
ただ、その反面、やはり葬儀業界の市場規模拡大だけに
目がくらんで、非常に未熟な技術で葬祭業を運営し続けている
外部参入組の葬儀社も一部あると聞きます。
彼らは当然、葬祭業実務経験は当初はないわけですから、
2年経過してから初めて葬祭ディレクターの試験を受けることに
なりますが、何度試験を受けても合格出来ない人も
多くいるんですよ。」
私:
「試験に落ちても葬儀社は続けられるんですよね?
じゃあ、いったいどういった意味を持つ資格なんですか?
葬祭ディレクターって。」
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