忘れることのできない葬儀 その4

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忘れることのできない葬儀 その4

私たちは年長者から順番に一列に並び、お焼香の番を
待ちました。

私は自分の番が来るまで、祭壇にもご親族席にも目をやらず、
虚空と地面を見つめることを繰り返していました。

自分のお焼香の番が来て、僧侶と親族以外で祭壇と棺に最も近い位置に
出た時、はじめて顔を上げると、ご親族席のY君の姿が真っ先に目に
とまりました。

Y君は、泣いていませんでした。

泣きはらしたあとは顔に見て取れるのですが、
既にその時期は通過し、すでに人前に出るための顔に
なっていました。

厳しい顔ですが、意思のしっかりした顔でした。
同じ小学生とは思えないほど、大人の顔でした。

もう、私とは違う、誰かの子供としての存在ではなく、
彼自身として悲しみと向き合う個人のY君の姿でした。

これは、私にとっては、今でも忘れることのできない、
「人の顔」です。

あの顔。あの表情。あの葬儀。

今この瞬間でも、鮮明に思い出すことができます。

自分の結婚式の様子さえ思い出せない私が、
そのはるかに昔のこの一瞬は、今でもすぐそこに
在るかのように思い出せるのです。

「葬儀」というと、自分の身内の葬儀よりなにより、
この時のY君の顔を思い出します。

読経と祭壇、Y君の表情、暗い夜道を無言で歩く野球少年たち。
それらのシーンが一連となって、「葬儀」と聞くと脳の裏側に
映写されるのです。

豪華だったのか、質素だったのか、そんなことは子供だったので
まったく分かりません。
でも、この時の葬儀が生涯で最も記憶に残っている葬儀です。


その後、私同様、片親で貧しい子供になってしまったY君は、
中学に進学していわゆる「不良」になってしまうのですが、
自分より弱いものには、それが誰であれとことん優しい不良でした。

彼の不良化は、「片親で貧しい子供」に対する、
社会の同情や不見識に抗っていたのだと思います。

そんな時、「あの葬儀の時のあの彼の表情は、すでに世間の
「かわいそう」と戦っていた表情だったんだな」と、ひとり合点したものでした。


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