忘れることのできない葬儀 その2

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忘れることのできない葬儀 その2

その日、朝練を終えて学校に行くと、先生が

「今朝、Y君のお宅でガス爆発があり、Y君はしばらくお休みです」

とのこと。


Y君は、少年野球チームのチームメートです。

彼自身にケガはなかったのですが、彼のお母さんが、
全身に大やけどを負われたとのことでした。


その日、彼のお母さんは亡くなりました。

朝起きて炊飯器のスイッチを入れた瞬間、
おそらくガス管をネズミかなにかに齧られていたんでしょう、
ガスが漏れていて、大爆発を起こしてしまったとのこと。

お母さんは、皮膚に衣服が貼りついてしまい、それを
近所の方が剥がそうとしてくれたのですが、後になって思うと
それが良くなかったらしく、亡くなってしまわれたそうです。


私の家は、Y君の家と雑木林を挟んで数百メートルと近かったので、
爆発時の音も振動もかなり大きかったものと思われます。

当たり前ですが、Y君はその後数日、学校にも少年野球にも
姿を見せませんでした。
入院は1日で済んだらしいのですが。

私は子供心に、Y君はもう、笑うことも遊ぶことも、
歩くことさえ出来ないで、家でふさぎこんでいるんだろうと
思っていました。
学校や野球になんて、もちろん来ることなんて出来ないだろうと。

かわいそうとか、そういった感情ではなく、淡々としつつも
暗澹たる事実の認識という感覚。

そんな陰鬱とした日々が2~3日続いたのち、Y君のお母さんの
葬儀の案内が届きました。



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