宮地社長:
「そうしている中で、
料理や香典返しの平均的なグレードのパターンや、
人数によって消費されるお酒の量の平均パターン、
お客様の住所ごとによく利用される斎場のパターン、
一番選ばれる火葬炉や骨壺のグレード、
そういったことが分かってくるはずですよね?
だとしたら、全体予算や予想人数、お住まいの場所などの
必要最低限の情報から、料理や返礼品などの各項目に
とりあえず平均的な数値をあてはめれば、限りなく現実的な
詳細見積りシミュレーション
は作成できますよね?」
私:
「ああ、シミュレーションという名目なら、確かに
かなり具体的な見積りが出せますね。
料理内容とかに一定の条件をあてはめちゃえば。」
宮地社長:
「そうなんです。実際に他のお客様が施行された時の
葬儀内容で、似た斎場と人数のものを探して
「事例」という形で見せることもできますよね?
そういうものが事前に見れれば、お客様はその葬儀社に
依頼した場合の、料金や内容の全体像がシミュレーションできるので、
圧倒的に判断しやすくなるんです。
だから、これは絶対にやるべきだし、こういった事前の
シミュレーション見積りや
見積り事例を
詳細に提供してくれない葬儀社は、その時点で避けるべきだと思うんです。」
私:
「社長のお話だけ伺っていると、そういったシミュレーションや
事例は簡単に出せそうなんですけど、どうして出してくれない
葬儀屋さんもあるんですか?」
宮地社長:
「大きくは2つ理由があります。
ひとつは、
詳しくお話を伺う前に、例え事例やシミュレーションといえど、
あまりに具体的な見積りを出してしまうと、それを正式見積りと
勘違いされてしまうことです。
いざ会ってご希望を伺うと、見積り事例の金額では収まらない
項目があった場合、ご納得いただけないのではないか、
と考えているわけです。
でもそれは、ちゃんとご説明してあれば問題ないはずです。
営業員などの能力の問題ですね。
もうひとつは、
具体的な見積りだと、料理や香典返し、火葬場使用料などの
葬儀社以外に払う実費も含む総額になるので、
「高い」というイメージを持たれてしまうから、ですね。
世の多くの葬儀社が、「〇〇円で全て済む葬儀」とホームページで
PRしている中、真っ正直に「本当にお客様が払う総額」を提示すると、
単純比較されて他社に依頼されてしまうのではないか、という懸念ですね。」
私:
「なるほど~」
宮地社長:
「これは確かに悩ましいところです。
当社は料理や返礼品どころか、お布施の相場まで
含めて総額のご予算シミュレーションをしますから、
葬儀プラン料金だけしか提示しない葬儀社と比べ
られちゃうと、そうとう高く思われちゃうんです。
でも、これらは葬儀を行う以上必ず必要になる経費ですし、
私どもがいただく金額じゃないとしても、お客様から
見れば「葬式にかかるお金」であることにはかわりないんです。
だとしたら、「ウチ以外にも葬儀全体でこれくらいの支払いが
発生しますよ」というを、なるべく早い段階で知ってもらわないと、
「〇〇円で済むと思ってたのに、なんだかんだ理由付けて
追加でこんなに取られた」
というイメージをお客様に持たれてしまうんですね。
葬儀前の打ち合わせ時が一番良い関係性で、
葬儀が終わったら不信感でギクシャクしてる
なんて、サービス業として悲しいじゃないですか。
だから、例え見た目上は不利になったとしても、
真っ正直な総額見積り事例をメールだけでも
お送りしてるんです。」
私:
「客の立場からすると、かかるお金は全部早く
言ってもらわないと、用意する時間の問題もありますしね。」
宮地社長:
「ウチみたいに、お布施まで含めてとまでは言いませんが、
実際に打ち合わせをしなくても、詳細な見積りの事例だけでも
事前に情報提供してくれる葬儀社を、選ばれると失敗が少ないと
思いますよ。」
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