宮地社長:
「でも、前金を要求する葬儀社が多いのは、
料理代とか、火葬費用とか、式場使用料とか、霊柩車などの
車両費用とか、そういう実費を、お客様に代わって葬儀社が
一時的に支払い代行するためです。」
私:
「そうか。数十万~百万単位の現金を、
葬儀社が一時的に払わなきゃいけないんですね」
宮地社長:
「そうなんです。
だから、経営上現金を豊富に用意してる葬儀社なら
いいんですが、そうじゃないところは、前金でお預かりしないと
お金を回せないんですよ。」
私:
「それはしょうがないですよね~」
宮地社長:
「まあ、今のが前金制の一応の理由なんですが、
実際には葬儀業界の慣習的な感じで、当たり前のように
手付金を要求してる葬儀社も多いですけどね。」
私:
「キャッシュに余裕があったとしても、現金で手付金を
もらえるなら、それに越したことはないですからね。
回収のリスクも軽減できますし。
葬儀とはそういうものです、って言えば半金が現金でもらえるなら、
オイシイですよね。」
宮地社長:
「ええ。実際はそれが葬儀社の本音ですね。
でも、そのせいでお客様にご迷惑がかかるなら、
業界慣習であっても改めていかなければいけないですよね。
サービス業なんですから。」
私:
「短期間での現金の用意ということ以外に、
お客様が被るデメリットがあるんですか?」
宮地社長:
「大きくは2点あります。
1つは、予算的にはもっと希望の葬儀ができたはずなのに、
現金で用意できる範囲での葬儀にせざるを得ないというデメリット。
もう1つは、精神面でのデメリットです。大事な人を亡くされて、
その方との最後のお別れに気持ちを集中したい時に、
お金の工面の問題が常に心にひっかかってしまうんです。
これは、実は非常に大きな問題です。」
私:
「そうですね。悲しいのに、どこかで「お金どうしよう」って超現実的な
考えが頭にあるのって、なんか故人にも悪い気がします。」
宮地社長:
「ええ。そうなんです。1つめのデメリットである、
「もっとちゃんとしてあげられたのに・・・」というのも、物理的な制約から
ではありますが、結局は精神的なデメリットになってしまうんです。」
宮地社長:
「要は、たった1度きりの大切な方とのお別れに、決して取り返せない
後悔の念が残ってしまうんです。
これは、我々葬儀社が絶対にやってはいけないことなんですよ。」
私:
「そうですよね。後悔や心残りとの決別のために、
葬儀ってやるもんですもんね。」
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