「葬儀屋はボッタクリ」とか「坊主丸儲け」とか、葬儀とそれに関わるお金には、
とかくネガティブなイメージがありますね。
かくいう私もそうでした。
たぶんそれは、「よく知らないものへの恐れ」からきているのでしょうね。
分かってしまえば単純だったのですが、
葬儀費用というのはすごいざっくりいうと、
１．祭壇や棺の物理的代金
２．葬儀屋さんに色々代行してもらう人件費
３．式場使用料と遺体保管料
４．火葬費用
５．料理代、酒代、返礼品代などの人数変動費
６．遺体搬送車や霊柩車、マイクロバスなどの車両費用
７．お布施
で構成されていて、それをひっくるめて200万とか300万とか言ってたのです。
私はこれ全部を葬儀屋さんがやって、全額葬儀屋さんに払うもんだと思ってたの
ですが、実際には葬儀屋というのは「プロデュース業」で、
やってることは花屋さんや料理屋さんや火葬場など様々なプレーヤーの
取りまとめとディレクションなんですね。
だから祭壇の花代も料理代も火葬費用も、実際にはそれぞれの
業者に払ってるんですが、葬儀屋さんが一旦取りまとめてるそうです。
広告主が、CM制作費もタレントの使用料も放映費もネットワーク費も、
全部まとめて電通に払うみたいなもんですね。
とすると、各外部業者の領収書を渡さない葬儀社は、怪しいかもしれません。
不当に「抜いてる」可能性がありますよね。
じゃあ葬儀屋さんの儲けはというと、上記でいえば、１．を仕入れて、２．で設営・進行するので、
１．の仕入れ費用を抜いた部分と２．の部分の合算ということになります。
３．から６．は外部業者への支払いを葬儀屋が代行してる部分で、
７．は完全に別費用。
１．および、３．から６．の部分は、物理的なモノの代金なので、
ネットで色んな葬儀社の料金見ても、そんなに大きくは変わらないですね。
今の情報化社会において、物理的に比較可能なモノで他より高い金額を
設定すると、商売になりませんからね。
客側のイメージどおりぼったくる葬儀社があるとすれば、
２．の部分でしょうね。葬儀社の人件費などです。
それも最近のネットで価格表をオープンにしてる葬儀屋さんであれば、
祭壇・棺・人件費が含まれた「プラン料金」として明示されているので、
事前に調べて予算内のプランにしておけば、想定外の費用がかかることはないでしょう。
問題は７．のお布施ですね。
こればっかりは、個々の家のお寺などとの付き合い方にもよるでしょうし、
一概に高いとも安いとも言えない部分でしょう。
ただ、社長に聞いたお布施の相場だと、20～50万くらいみたいですね。
何百万と納める人もいるみたいですが、まれでしょう。
ここで、葬儀をせずに火葬のみ、という選択をした場合はどうなるのか？
と思いますよね。
この場合、４．の火葬費用だけで済みそうなイメージがありますが、
実際には２．の葬儀社の人件費もかかるそうです。
というのは、東京都内の火葬場は、一般の人だけで予約して
使用することができず、
予約はどこかの葬儀社を通して
火葬の立会いも葬儀社の社員が必要
というルールがあるからだそうです。
なので、火葬のみとか市民葬とか区民葬とかいっても、
必ず葬儀屋さんは介在することになるんですね。
さて、私の祖母の葬儀の場合には、いったいどこに
150万がかかったのでしょう？
今思えば、おそらく２．の葬儀社の人件費の部分を多く払ったことになるんでしょうね。
そんなに立派な祭壇じゃなかったし。
私のケースは親戚の付き合いもあったので仕方ないですが、
上記のような葬儀費用の内訳を簡単に頭に入れた上で、
ネットで料金プランをきちんと明示してる葬儀屋さんに依頼するのが
「ぼったくられた」と感じないための、一番の方法なんじゃないかと思います。
なによりもまず、事前に調べること。そして見積りを取ること。
車を買えるくらいの金額の話なので、よく考えれば当たり前のことなんですが、
葬儀って慌ててる上に詳しくもないので、けっこう適当に決めちゃいますよね。
それが「ぼったくり」の正体なんじゃないかと、今になると思うわけです。
後悔先に立たず・・・ですね。
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